ない借金返済|(被告の反論) ア診療録等の改ざんについて 被告が診療録等を改ざんしたとの主張は否認する

借金返済の診療時にで あって,訴訟対策用に編集されたものでではない。
その他
原告
主張


主張はいずれも誤解に基づくものであり,又はごく微細 な点を極大に非難するものにすぎない。
イ診療録等の不開示について (ア) 診療録等の隠匿について a 本件入院カルテ?ないし?及び本件手術記録?は,本件証拠保全手 続以前に既に見当たらず,同手続後被告において捜索を行ったが発見 できなかった。
本件入院カルテ?ないし?は,1冊にまとめられ,被 告病院事務局の保管庫にまとめて保管されていたものと考えられるが, 平成9年当時,被告病院では,主治医のほか歯科医師の資格を有する 者は,研究等のため任意に診療録の借り出しを行うことが可能であっ たことから,本件入院カルテ?ないし?及び本件手術記録?は,特定 人が自己の研究目的で借り出した後返還されないまま,所在不明とな っている可能性が考えられる。
なお,本件入院カルテ?ないし?及び 本件手術関連記録?の記載の一部の写しは,本件腫瘍カルテの中に存 在している。
他方,本件手術関連記録?及び?は,被告が本件証拠保全手続に際 して提示した本件腫瘍カルテの内部にその原本が存在し,原告に開示 されており,被告がこれらを隠匿したことはない。
b 被告は,本件証拠保全手続において本件放射線カルテを提示しなか 11 ったが,同手続は突然の手続であり,放射線科の医師は立ち会ってい なかったため,被告側において幾種類ものカルテについて十分把握で きず,本件放射線カルテにまで注意が行き届かったことから,結果と して裁判所に提示されなかったにすぎない。
被告には本件放射線カル テを隠匿すべき理由はなく,被告が同カルテを隠匿したことはない。
c 本件画像検査報告書等は,本件証拠保全手続に際しても,レントゲ ンの袋の中にレントゲン写真と一緒に入れられていたものと考えられ, 本件証拠保全手続において何らかの事情により写しが作成されなかっ た可能性も考えられるから,同手続において提示されなかったとは断 言できない。
また,本件画像検査報告書等に対応するレントゲン写真 等自体は原告に交付されていること,同報告書等は別件医療過誤訴訟 の争点とは何ら関連しないことから,被告がこれらを隠匿することは ない。
また,本件診断書等は,原告に対し既に交付済みのものであり, 原告が別件医療過誤訴訟以前に既に所持していたのであるから,被告 が隠匿を行ったことはない。
(イ) 診療録等の紛失について 被告は,本件診療に係る診療録のうち本件入院カルテ?ないし?及び 本件手術関連記録?を紛失し,これらを原告に開示できない。
しかしながら,診療録を紛失したため,これを患者に開示できない場 合であっても,このことが直ちに診療契約に基づく義務の不履行又は不 法行為に当たるとはいえず,?患者が実質的不利益を受ける可能性,? カルテを出せない医師側の事情(特に故意による破棄等の事実の有無や 医師の誠意の有無),?代替カルテの有無及びその他一切の事情を総合 考慮して,実質的な不当性の有無を判断すべきである。
これを本件についてみると,本件腫瘍カルテ,本件放射線カルテ及び その他の医療記録により,原告の病状,治療内容,治療後の経過等の全 12 てが客観的に明確になっており,原告に実質的な不利益はない。
また, 被告側は故意に上記診療録を破棄したのではなく,熱心にカルテの捜索 を行っている。
さらに,別件医療過誤訴訟判決が医師の過失や説明義務 違反を否定しているにもかかわらず,原告は模索的,感情的に本件訴訟 を提起しており,本件訴訟は実質的に別件医療過誤訴訟の蒸し返しに当 たる。
これらの事情からは,本件入院カルテ?ないし?及び本件手術関 連記録?の不開示が診療契約上の債務不履行又は不法行為に当たるとは いえない。
⑶ 被告が,診療録等に基づいててん末を報告すべき義務を負っており,同義 務に違反したか。
(原告の主張) ア医療機関,医師ないし歯科医師は,患者に対し,準委任契約のひとつで ある診療契約に基づき,患者に対して行った診療内容についててん末報告 義務(民法645条)を負う。


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特に,診療の結果,患者の身体に患者が予 期せぬ重大な後遺症を来した場合には,患者がその経緯や原因を知りたい と思い,医師らにてん末の報告を求めるのは当然であり,医師らは診療の 経過を最もよく知っているのであるから,医療機関,医師ないし歯科医師 は,患者が重大な障害を残すに至った経過や原因について,専門知識をも とに誠実に説明すべき義務を負う。
本件では原告の身体に重大な後遺症が生じているところであるから,被 告が上記(2)のとおり診療録等を改ざん,隠匿した行為や,下記イのとお り別件医療過誤訴訟において被告側証人に偽証させた行為は,原告に対す るてん末報告義務に違反するものであり,債務不履行又は人格権を侵害す る不法行為に当たる。
また,診療録等の不提出が紛失によるものであったとしても,被告はて ん末報告義務の債務不履行ないし不法行為に基づく責任を負う。
13 イ別件医療過誤訴訟における被告側証人の偽証 原告の診療を担当した甲歯科医師は,別件医療過誤訴訟の第一審におけ る証人尋問において,?平成4年2月4日の手術終了後に,原告及びその 妻に対して,リンパ節に腫瘍があると考えていたが実際には唾液腺にあっ た旨の説明を行ったにもかかわらず,同事実を否定する旨,?本件腫瘍カ ルテ内に含まれる手術記録について,被告病院において保存されている手 術記録はタイプ打ちの定型書式であるのが一般であり,本件腫瘍カルテに 含まれる手術記録は手書きの形式であって正式な記録ではないにもかかわ らず,これを正式の手術記録である旨,また,?外来カルテに含まれる 「病理組織学的検査(一般)依頼・報告書」の既往標本番号欄右下の「? 迅速標本」の記載は,実際に手術を執刀した臨床医により記載されたもの であるにもかかわらず,病理医により記載された旨の各偽証を行った。
これらの虚偽の証言は,いずれも被告がその指示により証人に虚偽の事 実を証言させたことによるものであり,原告に対する本件診療契約に基づ くてん末報告義務に違反するものである。
(被告の反論) ア民法645条の趣旨から,医療機関,医師ないし歯科医師は,診療契約 に基づき,少なくとも患者本人の請求があるときは,その時期に説明・報 告を行うことが相当でない特段の事情がない限り,患者に対し診断の結果, 治療の方法,その結果等について説明・報告をすべき義務(てん末報告義 務)を負う。
しかし,この説明・報告に当たっては,診療録の記載内容の 全てを告知する義務があるものではなく,その方法としても,診療録を示 して行わなければならないものではなく,患者が実質的に理解できるため に必要な範囲で,事案に応じて適切と思料される方法で説明・報告を行え ば足りる。
本件診療については,診療録の改ざん,隠匿はなく,外来カルテ,本件 14 腫瘍カルテ,本件放射線カルテ及びその他の医療記録により,原告の病状, 治療内容及び治療後の経過等の全てが客観的に明確になっており,「カル テに依拠した説明・報告」としても,てん末の報告は十分に行われている。
イ甲歯科医師が別件医療過誤訴訟で偽証を行ったとの主張は否認する。
同 歯科医師は事実に即して証言しており,証言内容に虚偽は含まれていない。
(4) 被告の債務不履行ないし不法行為によって原告が被った損害及びその額 (原告の主張) ア原告は,予期に反して重大な後遺症が残ったにもかかわらず,当然に開 示されるべき診療録等の開示を受けられず,また,医師から診療録等に基 づくてん末報告を受けることもできなかったため,自己の身体的不調の経 過や原因を知ることができず,人格の尊厳を傷つけられ,多大な精神的苦 痛を被った。
このような苦痛に対する慰謝料としては,1250万円が相 当である。
イ原告は,本件診療の経過が診療録等の改ざん,隠匿により明らかにされ なかったことから,医療過誤訴訟を提起するため,独自に医療文献を購入 して真相の究明に役立てたほか,別件医療過誤訴訟における立証のため専 門家である医師ら5名に私的鑑定書の作成を依頼したり,原告申請によっ て裁判所による鑑定を行わなければならず,医学文献の購入費として60 万円,私的鑑定書の作成費用として120万円,裁判所による鑑定の費用 として70万円の合計250万円を要した。
ウ被告は,上記損害額を任意に支払わないため,原告は本件訴訟の遂行を 原告代理人に委任せざるを得ず,その報酬として200万円を要する。
(被告の反論) 争う。
(5) 不法行為に基づく損害賠償債権について消滅時効の成否 (被告の主張) 15 本件入院カルテ?ないし?及び本件手術関連記録?は,平成9年2月12 日の証拠保全手続時点において既に不存在であり,原告はこのことを知って いた。
よって,仮に原告の被告に対する損害賠償請求権が発生するとしても, 原告の請求のうち不法行為に基づくものは,同日から3年の時効期間が経過 しており,被告は同時効を援用する。
(原告の反論) 否認ないし争う。


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カルテ
カルテは,腫瘍につい ての治療方針の立案,経過観察及び研究に用いる目的で作成されるもので あり,診療の都度記載されることもあれば,資料を基に後に記載したり, 10 あるいは期間ごとにまとめて記載することもある。また,外来と入院のい ずれの記録も記載するものであるから,外来カルテ用紙と入院カルテ用紙 を区別せずに用いて作成される。腫瘍カルテを作成する際に,入院カルテ の一部をコピーして腫瘍カルテに貼ることは,腫瘍に特化したカルテを作 成するために同一趣旨の記載の援用として行われることであり,カルテの 記載行為そのものであり,また,種々の文書が混在していることはその性 格上当然のことである。